グループホームにおける「認知症対応プログラム」とは
グループホームは、日常生活の中で会話を中心としたコミュニケーションをはじめ、さまざまなレ クリエーションや趣味活動、運動、地域交流会などを積極的に行っています。 すべて認知症の進行を穏やかにすることを目的としており、欠かすことのできないものです。
完治が難しい認知症
認知症というと「アルツハイマー型認知症」が広く知られていますが、実は認知症には60以上の 種類があります。その中には正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫など、完治が期待できる認知症もあ ります。 しかし、「三大認知症」と呼ばれ認知症全体の85%を占める代表的な3種類(アルツハイマー型認 知症(68%弱)・脳血管性認知症(20%弱)・レビー小体型認知症(4%強))については、残 念ながら完治が難しいのが現状です。 そのためグループホームでは、進行を穏やかにすることを目的としたさまざまなプログラムが提供 されています。
薬物療法をサポートするさまざまな認知症対応プログラム
認知症と診断されると、症状に応じて認知機能障害の進行を防ぎ、認知症の周辺症状を軽減する 薬剤の投与(薬物療法)が行われます。と同時に、残存機能を維持・向上させる生きがいづくり や安心・安全な環境づくりが必要になります。 認知症対応プログラムは、症状の進行を穏やかにするための「生きがいづくり」、自分の家のよ うに居心地のよい「環境づくり」を担っており、症状の緩和や改善だけでなく、ADL低下の予防、 生活の質の向上を目標にしています。
日常を楽しむレクリエーション活動、趣味活動、運動(体操・ストレッチ・筋トレ等)、季節の 行事や地域交流会のほか、現在グループホームで行われている認知症対応プログラムには次のよう なものもあります。
- 目や脳のトレーニング
- 手指体操
- 拮抗体操
- タッチケア
- 回想法
- アロマケア(ハンドマッサージ)
- 園芸療法
- 音楽療法
- 仕事活動 など。
グループホームでのさまざまな取り組みから、認知症対応プログラムにはホームオリジナルのもの もあります。認知症ケアについても日進月歩。ご入居者さまの症状に対し、さらに適したものが ないか最新情報を常に収集し、検討されているのです。
医療との連携を密に
認知症進行の危険因子となる疾患予防や口腔ケアはとても重要です。 また必要に応じ、精神科デイケアの利用も進行の緩和につながります。 そのため、ご入居者さまの小さな変化を見逃さず、医療連携を密にお一人おひとりの状態に適し たケアやプログラムをチームで検討しています。最新情報についても採用できるかどうか、医師を 含めたチームで慎重に話し合い、研究されています。
認知症専門スタッフが対応
グループホームには、ケアマネジャー、介護福祉士、看護師、認知症ケアスタッフ等が身体状態か ら日常生活までを把握、共有しながらサポートしています。 チームケアだからこそ認知症対応プログラムを最大に活かし、残存機能・能力を引き出していくこ とができます。