後悔しない介護施設選びのコツ
良い介護施設の見分け方とは?
数ある老人ホームの中から自分に合った施設を選ぶには、立地や施設の雰囲気、設備の充実度、サービス内容、予算面など、さまざまな点から比較・検討することが大切です。後悔しないためにも、入所前に希望条件をリストアップし、最適な施設を探せるとよいでしょう。
すべての希望条件がそろった施設を見つけられることが理想かもしれませんが、現実的には難しいケースがほとんどです。そのため数多くある条件のなかでも、特に何を重視したいのか、優先順位を決めておくと納得のいく施設選びにつながります。また長く安心して暮らすためには、5年後、10年後のライフスタイルを想像しながら検討するのもポイントです。
費用面では「償却期間」もチェックしよう
施設を選ぶうえで、費用面は重要なポイントになるでしょう。検討するときに抑えておくべき料金は、以下のようなものが代表的です。
入居一時金 | 月額利用料とは別に入居時に支払う費用。施設ごとに異なり、なかには0円というところもあります。 |
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月額利用料 | 施設に毎月支払う費用。居住費(家賃)、共益費、管理費(水道光熱費を含む)、食費などが含まれていることが一般的です。施設の立地条件や設備、医療・看護体制によって異なります。 |
別途かかる費用 | 個人でかかるおむつ代、レクリエーション費、医療費、新聞購読費などは、月額利用料に含まれていません。 |
介護保険自己負担額 | 施設介護サービス自己負担額の費用。要介護度によって異なります。 |
このうち大部分を占めるのが、「入居一時金」と「月額利用料」です。
一般的に入居一時金には、償却期間が設けられています。償却期間とは、一時金としてまとめて支払ったお金を消費していく期間。この期間中に退去した場合には、決められた計算方式に従って返金があります。
ただし償却が済んでいる場合には、退去時に返還金はありません。
また、施設によっては契約時に100%償却と定めているところもあります。
「入居前から退去する想定なんて…」と思うかもしれませんが、施設の雰囲気に馴染めないケースだけでなく、長期の入院が必要になったりしてやむを得ず退去しなければならない場合もあります。
費用面でのトラブルは、経済的にも精神的にも大きな負担になります。各費用の内訳や制度、償却期間について、入居前にしっかり確認しておきましょう。
雰囲気を体感するには見学や体験入所へ
介護施設への入所を検討するときには、ぜひ施設見学や体験入居をとおして、実際に施設を体感することをおすすめします。その際、施設の設備やサービス、医療への対応度などに加えて、働いているスタッフの表情も確認してみましょう。
施設長やスタッフの人柄やコミュニケーションのとり方は、施設の雰囲気そのものを見極めるうえで重要な判断材料になります。また、すでに入所している方のご様子(表情等)から施設に対する満足度が分かるかもしれません。
そのほか、立地条件を比較するときには、希望する生活スタイルに合った環境かどうかを考えてみましょう。
ご本人が暮らしやすい環境かどうかという視点以外にも、「家族にとって面会がしやすいか」「いざというときに駆け付けやすい立地であるかどうか」などの点から、アクセス面も考慮しておくのがおすすめです。